ロビの腕の取付け角度の変更
2016年3月28日


 ロビの腕は稼働範囲の制限で腕を真上に上げる事ができません。
 ロビの肩サーボの稼働範囲は180°で前方向に90°、後ろ方向に90°となっています。
 前方向に90°しか動かないので腕を真上には上げる事ができません。

 そこで腕の取り付け角度を90°変更して真上に上がるように改造しました。
 ただし後ろ方向に回転しないので腕を後ろに動かす事ができません。
 このため床から起き上がる動作ができなくなるので注意してください。

 なお原点補正をすれば既存のプログラムをそのまま動かす事ができます。
 また稼働範囲を越えたプログラムに対しては稼働範囲の上限と下限を設定する事でサーボに対して負荷がかからないようにする事ができます。

 今回パーツの一部を改造しますが改造したパーツでも元の状態に元す事ができます。



 肩フレームの赤線をカットします。
 肩連結金具と回転軸との距離が変わらないように緑線と黄線が同じになるようにしてください。
 この距離があまり短いと上腕のサーボと干渉するので注意してください。(少し長めにして削って回転するように調整すると失敗がなくなります)

 なお写真は右肩のパーツで左肩のパーツはこの反対側をカットします。



 カットした断面に合わせてプラ板で肩連結金具を取付けるパーツをプラ板または金属板で作ります。
 肩連結金具は短いビスナットで取付けます。
 この時、取付けネジがバーツの内側に干渉するのでネジの頭は内側にしています。
 それでも干渉する場合はパーツを少し削ってください。
 なおパテ等で肩連結金具を取付ける部分を埋めて直接取り付ける事も出来ると思います。



 作成したパーツにネジで取り付けます。
 この時肩フレームにネジ穴を切る必要があります。
 小さめの穴を開けてネジでタップを切りますが肩フレームの肉厚があまりないのでにネジ穴を切る位置に注意してください。
 肩フレームにナットを埋める事により確実にネジ留めする事ができます。



 肩パネル部分の肩連結金具の代わりの部品をプラ板または金属板で作成します。  肩連結金具のサーボ軸とサーボケーブルを隠す役目をします。
 肩連結金具の形状はそのままですが肩サーボへの連結部分は必要ありません。



 肩フレームと肩パネルを組み立てます。
 オリジナルと同じ手順でケーブルを通して上腕のサーボの取り付けます。
 胴体の肩サーボへの取り付けも同じて行います。

 なおロビを元の状態に戻せるようにしているため肩フレームはそのままにしていますが上腕が上方向に動かなくなってしまうので専用の肩フレームが用意できる場合は肩フレームより外に出る部分(サーボ軸の部分)を切り取る事で上腕のサーボに影響しなくする事ができます。



 既存のプログラムを動かすためロビ設定ファイルエディターで原点補正と稼働範囲の設定をします。
 なお元の状態に戻す必要があるので現在の設定ファイル(STARTUP.XML)のバックアップは必ず取っておいてください。



 肩サーボの原点補正を行います。
 右と左の肩サーボの原点をそれぞれ900(90°)補正します。
 右肩サーボ(ID16)を-30から-930に左肩サーボ(ID19)を50から950に変更します。
 微調整をする場合はこの値を目安に実際の原点位置をみながら行ってください。



 次に稼働範囲を設定します。
 この設定は行わなくても手を真上に上げる事ができますが手を大きく後ろに回すプログラムを動かした時にサーボに負荷がかかるのを防ぎます。
 また肩連結金具により上腕の稼働範囲も狭くなるのでこのサーボも稼働範囲を設定します。

 まず稼働範囲の下限を設定します。
 ラジオボタンを稼働範囲化下限値に切替えます。
 この時先ほど指定した原点補正の値を設定ファイルに書き込むか質問してきますので「はい」を答えて設定ファイルを更新してください。
 右肩サーボ(ID16)の下限値をあまり後ろ方向に行かないように-150に変更してください。
 完全に後ろに行かないようにするには0(原点)を指定しますがロビが床に座るポーズで少し後ろに回せるようこの分の稼働範囲を広げています。
 また肩連結金具により上腕のサーボが上方向に動かない場合は左上腕サーボ(ID20)を0に変更してください。



 次に稼働範囲の上限を設定します。
 ラジオボタンを稼働範囲化上限値に切替えます。
 先程と同様設定ファイルを更新します。
 左肩サーボ(ID19)の上限値をあまり後ろ方向に行かないように150(少し後ろに行く)に変更してください。
 また肩連結金具により上腕のサーボが上方向に動かない場合は右上腕サーボ(ID17)を0に変更してください。

 ロビの標準プログラムはサーボの稼働範囲内で作られているのでロビが手を上げるポーズはありません。
 サーボの稼働範囲内で作られているのでロビが手を上げるポーズはありません。
 ロビに手を上げさせるにはプログラムを作成する必要があります。
 ロビモーションエディターを使った作成方法を説明します。



 右肩サーボ(ID16)の値が900、左肩サーボ(ID19)の値が-900で腕が真上に上がるようになります。
 出来上がったポーズをプログラム書出しボタンでプログラムに書き出します。
 この時必ず原点補正をした設定ファイルを使う必要があります。
 設定ファイルが読み込まれていない場合は設定ファイルを聞いてきますが既に設定されている場合はその設定ファイルが使われます。
 原点補正をしていない設定ファイルが使われると出来上がったプログラムは途中までしか上がらなくなります。
 現在どの設定ファイルが使われているかを確認するにはRBMotion.iniをメモ帳等で開きます。
 [SETUP]のPATH=の値を確認します。
 違っている場合は正しいパスに修正するかこの行を消してください。
 この行を消すとプログラムの書出しボタンで設定ファイルを聞いてきますので原点補正をしたファイルを指定してください。


 実際に手が上がるようになったロビの動画です。

     

 なおこの動画では3Dプリンターで作ったパーツを使用しています。



 ちなみに3Dプリンターでこのようなパーツを作りましたが苦労した割にオリジナルパーツを使った方が楽なので詳細は割愛します。

 今回の改造により腕が後ろ方向に回らなくなり床から起き上がれなくなりますが真上まで動く事によりできるポーズをかなり増やす事ができます。
 肩連結金具を元の位置に戻すことによってロビを元の状態に戻せますので興味のある方は試してみてはいかがでしょう。

 なお本改造はロビ本体への影響を及ぼす可能性があるのであくまでも自己責任という事でお願いします。
 特に稼働範囲を越えてサーボを動かすとサーボが壊れる事があるので注意してください。

目次に戻る